なぜ、アパートやマンションの建築が相続対策になるのか。
第二話は、「なぜ、建築事業が相続対策になるのか。」です。
税理士業務をされている方には当然の話なので、読み飛ばしてください。
補足や、税務的に見てその考えには間違いがあるよー!という時には、ご指摘頂けるとありがたいです。
相続対策になる理由。
それは、相続時の税務署の不動産評価には、現金と比べて様々な軽減があるからです。
1億円の現金を持ったまま、おじいさんが亡くなったとします。
その1億円に対して相続税が掛かります。
保有している土地にも相続税が掛かります。
もし、そのおじいさんが、生前、1億円でマンションを建築していたらどうなるでしょうか。
建物の評価額はRC造、S造、木造などにより「平米あたりいくら」で算定されますが、実際の取得価格よりも遥かに低い額となります。
その建物の固定資産税評価額はざっくり、5500万円程度になるイメージです。
相続税は、5500万円に対して掛かることになりますが、
その建物が借家(賃貸マンション)だった場合には、借家人の権利を差し引いて、資産としては3850万円の評価になるのです。
※税制の変化により額は変わる可能性があります。こんなに下がるよ!というイメージです。以下同様。
つまり、1億円の現金を持っている状態と、3850万円の不動産を持っている状態。
マンションを建築した方がそれだけ相続税は安くなります。
建物だけでなく、マンションが建っている敷地では、土地の評価も「借家」ということで評価が減額されます。
もし、土地も最近、1億円で買ったものであれば、
評価額は7000万円程度とみなされ、そこから借家(借地)の低減分で18%減。
5720万円の評価となります。
これらをフルに利用した例はこんな感じ。
2億円の融資を受けて、1億で土地を購入、そこに1億の建物を建築。
この場合、1年後には借金2億円を抱えることになりますが、
相続時には、その不動産価値は9570万円の評価にしかならない事になります。
負債の相続になりますので税務署は相続税を徴収できません。
それどころか、他に1億円の現金を持っていたとしても、相殺されて相続税はゼロになります。
これが相続対策でマンションやアパートを建てる理由です。
ただ、相続税を安くできても、残ったマンションの価値が低ければ、お金をドブに捨てたのと同じです。好条件の物件を建築する事が大事ですし、建物の償却についてもきちんと計画して、毎年の節税対策も考えることが大事です。
最終的に物件を売る時の注意など、考えるべきことは色々とあります。
その辺りは次回以降に。