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なぜ、アパートやマンションの建築が相続対策になるのか。

向井 一郎
date:2021/11/18

第二話は、「なぜ、建築事業が相続対策になるのか。」です。

 

税理士業務をされている方には当然の話なので、読み飛ばしてください。

補足や、税務的に見てその考えには間違いがあるよー!という時には、ご指摘頂けるとありがたいです。

 

相続対策になる理由。

それは、相続時の税務署の不動産評価には、現金と比べて様々な軽減があるからです。





1億円の現金を持ったまま、おじいさんが亡くなったとします。

その1億円に対して相続税が掛かります。

保有している土地にも相続税が掛かります。



もし、そのおじいさんが、生前、1億円でマンションを建築していたらどうなるでしょうか。

建物の評価額はRC造、S造、木造などにより「平米あたりいくら」で算定されますが、実際の取得価格よりも遥かに低い額となります。

その建物の固定資産税評価額はざっくり、5500万円程度になるイメージです。

 

相続税は、5500万円に対して掛かることになりますが、

その建物が借家(賃貸マンション)だった場合には、借家人の権利を差し引いて、資産としては3850万円の評価になるのです。

※税制の変化により額は変わる可能性があります。こんなに下がるよ!というイメージです。以下同様。





つまり、1億円の現金を持っている状態と、3850万円の不動産を持っている状態。

マンションを建築した方がそれだけ相続税は安くなります。





建物だけでなく、マンションが建っている敷地では、土地の評価も「借家」ということで評価が減額されます。

もし、土地も最近、1億円で買ったものであれば、

評価額は7000万円程度とみなされ、そこから借家(借地)の低減分で18%減。

5720万円の評価となります。





これらをフルに利用した例はこんな感じ。

2億円の融資を受けて、1億で土地を購入、そこに1億の建物を建築。


この場合、1年後には借金2億円を抱えることになりますが、

相続時には、その不動産価値は9570万円の評価にしかならない事になります。

負債の相続になりますので税務署は相続税を徴収できません。

それどころか、他に1億円の現金を持っていたとしても、相殺されて相続税はゼロになります。

 

これが相続対策でマンションやアパートを建てる理由です。


ただ、相続税を安くできても、残ったマンションの価値が低ければ、お金をドブに捨てたのと同じです。好条件の物件を建築する事が大事ですし、建物の償却についてもきちんと計画して、毎年の節税対策も考えることが大事です。

最終的に物件を売る時の注意など、考えるべきことは色々とあります。



その辺りは次回以降に。