『頭のいい人が話す前に考えていること』 出版記念 安達裕哉氏インタビュー
麻布流儀編集部です。
以前、一度ご紹介しました1994年卒の安達裕哉さん。(その時の記事はこちら)
その安達さんが本を出されたということでインタビューです!
人気サイト『Books&Apps』の運営者で麻布1994年卒の安達裕哉さんの新著『頭のいい人が話す前に考えていること』が出版されました!
出版を記念して紙上インタビューしました。
編集部:『頭のいい人が話す前に考えていること』、ご出版おめでとうございます!
ずばり、この本のセールスポイントは。
安達:読み手が抱える「人間関係の余計な摩擦」を最小限にする目的で書きました。そのための「かしこい振舞い方」があるというのが、本書のポイントです。
編集部:以前に麻布流儀でインタビューさせていただいた『超アウトプット入門』では「アウトプットとは他者の評価を受ける活動」と定義していました。また、今回、「頭がいいというのは他者評価」という定義が出てきました。安達さんにとって自己と他者との関係性とは。
安達:人間の本質は、その人単体ではなく他者との関係性の中に立ち上がると考えています。
編集部:今までのご著書やブログの文体はどちらかというと読者と少し距離を取る書き方、ハードボイルドな語り口でしたが、今回の本では語り口の変化を感じました。また自己開示の度合いもやや踏み込んだものである印象があります。なにか心境の変化がありましたか?
安達:これは、ダイヤモンド社の編集者の勧めが大きいです。「読者にもっと寄り添う」ことを突き詰めた結果、こうなりました。
編集部:新著では、感情のコントロール、冷静でいることの大事さを説いています。感情的になりすぎる人が失敗する例は多いですが、一方でなにかことを成しとげる人の原動力に、情熱や憤りなどの感情がなることもあります。ぼくらは「感情」というものとどう付き合っていけばよいのでしょうか。
安達:感情は大事にしなければなりませんが、それを他者に向かってどう表現するかは、常に選択の余地があるとおもっています。
編集部:新著ではまた、本質を見抜くことの大事さを説いています。本質を見抜く訓練でおすすめの方法のは。
安達:人によるかもしれませんが、頭の中であれこれ考えるだけではなく、書いたり、人に話してフィードバックをもらうことで、より理解は深まると思います。特に「人に教える」と、深いところに気づきやすいので、積極的にノウハウを発信してみると良いと思います。
編集部:我々は、他者なしでは存在しえないし、人間関係の中で生きていくしかない。一方で、人間関係はわずらわしさやトラブルの種でもあります。人間関係の中で生きていくことやコミュニケーションの醍醐味について考えていることがあれば教えてください。
安達:言葉を介したコミュニケーションは一種の知的ゲームですから、ゲームを楽しめる人に攻略しがいがあるでしょう。一方で「不得意」な人には、無理にゲームに付き合う必要はない、と申し上げるべきでしょう。
編集部:あえて伺います。「頭がいい」を目指す理由は。なぜ私たちは「頭がいい」を目指すべきなのでしょうか。
安達:目指すべきか、といわれたら、それは自由です、と言いたいですが(笑)
ただ、人の心が読めるようになると、仕事もプライベートも、楽になるのは事実です。
編集部:もし続編を書くとしたらどんな切り口を考えていますか。
安達:今のところ続編を書くことは考えていませんが、最近はよく「AIとのコミュニケーション」について考えています。
ありがとうございました!
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安達裕哉さんプロフィール
1975年東京都生まれ。1994年麻布高校卒。筑波大学環境科学研究科修了。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間コンサルティングに従事。在職中、社内ベンチャーであるトーマツイノベーション株式会社の立ち上げに参画し、東京支社長、大阪支社長を歴任。大企業、中小企業あわせて1000社以上を訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。その後、起業して、仕事、マネジメントに関するメディア「Books&Apps」(読者数150万人、月間PV数200万にのぼる)を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う。