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2001年卒村山龍太郎氏「Muso Action 」起業インタビュー

麻布流儀編集部
麻布流儀編集部
date:2025/9/10
2001年卒村山龍太郎氏「Muso Action 」起業インタビュー

麻布流儀です。

以前2016年麻布卒の河村洋一郎くん絡みでロボットネタのことを取り上げたことがあったのですが (過去記事「2016年麻布卒で東大現役生、ロボコンで活躍中」→https://azabu.style/news_cat2/1984

その流れで麻布OBのロボAI関連の部活動的な集まりとして「AZABO PROJECT」というグループが細々と存在しています。

内容としてはAIネタなどあれこれFBグループでシェアしているだけなのですが、何度か飲み会などを開催して参りました。

AZABOに参加するOBの一人がこの度、ロボティクス関連で起業されたということで、2001年麻布卒の村山龍太郎さんに お話を聞きました。

<村山龍太郎さん プロフィール>


2001 麻布高校卒

2006 東京理科大 建築学科卒

2008 東京大学大学院 国際協力学修士

その後、IBM→ソフトバンク→LINE →GROOVE X→Amazon→Preferred robotics を経て、Muso Action 起業


ホームページhttps://muso-action.com/



Q1 まず最初に軽く経歴を教えてください! 錚々たる有名企業の経験があると思いますが、それぞれの会社でどんなことをされてきたのですか?

村山 新卒ではIBMに入社し、コンサルタントを5年ほどやりました。当初は具体的な事業への興味というよりは、「早く成果の出せる社会人になりたい」という思いが大きく、若くして経営層との仕事ができるであろうコンサル業に飛び込みました。仕事の内容としては、主に製造業のお客様に対して、ファイナンス、物流などの業務変革のお手伝いをしていました。途中、半年ほど休職をしてアメリカでの語学留学を挟んだあと、憧れだった「海外のお客様に対してプレゼンするコンサルタント」みたいな仕事もさせていただいたのは、とてもよい思い出です。

そのあとは、SoftBankに転職をしました。コンサルだとよくあるのですが、「お客様の支援を生業としているが、次は自分たちの事業を大きくする仕事がしたい」と思うようになりに事業会社に転職しました。IBM時代に海外の仕事が楽しかったこともあり、日本から海外にいまからでていくという会社を選びました。SoftBankは当時、アメリカの通信会社の買収などで海外事業を加速しており、その事業拡大ができればと思っていました。

しかし、入社初日に「村山くんに任せたい仕事を見せるからついてきて」と言われて、特別なカードがないと入れない重厚な扉の先に連れて行かれると、そこには当時まだ社外には全く公開されていないPepperが何台も稼働しており、フランスからやってきた多くのロボットエンジニアがガリガリとコードを書いては動かすということを行っていました。

Pepper時代です。ソフトバンクでPepperがお仕事始めたとき

衝撃の出会いを遂げたPepperを、どうにか事業化、商品化して、世に出すというのをミッションに、SoftBankショップでお仕事をするPepper、様々なお客様のお店でお仕事をするPepperのソフトウェアの企画、開発管理、導入支援などを担当しました。

Pepperをきっかけに、ロボットやハードウェアを世に出す難しさ、また、人の体験や生活などが物理的に変わる面白さに触れ、私のキャリアはこうした新技術 x ハードウェア(ロボット)をライフワークにしていこう、と決まったように思います。

その後は、主にリファラルでハードウェア事業の立ち上げにお声がけいただくことが増え、LINEでは当時日本初だったスマートスピーカー「LINE Clova」の立ち上げメンバーとして事業開発を、GROOVE Xではペットロボット「LOVOT(ラボット)」の事業企画、大学などとの実証実験、海外展開などを展開、Amazonではスマートスピーカー「Alexa」の事業開発を、直近ではPreferred Roboticsで、家庭用および法人用の搬送ロボット「カチャカ」のプロダクトマネージャーを担当していました。



Q2 せっかくなので麻布時代のことを教えてください。

村山 麻布時代は硬式テニス同好会(硬テ同)に所属していました。基本、部活一本で、特にほかの活動とかはしていません。

幸いなことに、他の麻布生と違い、自宅が学校のすぐ近くにあり、自転車で5分くらいで通える生活でした。 そのため、朝6時からの朝練などもよく参加していて、もう学校開始の8時には疲れ果てて、授業中に力を蓄えるという生活でした。

同好会という名前ではありましたが、内実はかなり体育会系で、練習は厳しかったです。あんまりテニスはうまくならなかったのですが、みんなが全力で物事に取り組むという環境がとても心地が良く、高校2年生まで充実した日々を過ごすことができたと思います。



Q3 ロボティクス、AIなどにはいつ頃から興味を持たれていましたか? PepperやLOVOTの話もお願いします!

村山 経歴でお話したように、Pepperとの出会いがロボットやAIに興味を持つきっかけになりました。

それまではロボットは学生時代も含めて触れる機会は全くなく、もしSoftBankに転職していなかったら、いまもロボットの仕事はしていなかっただろうと思います。

ドラえもんやアトムなどに代表されるように、ロボットは「人類の夢」的な要素があるように思います。 私もロボット事業を推進するときは「こんなことをロボットにやらせたい」という野望を持って取り組みますが、現状の技術とのギャップに打ちのめされ、それでもどうにか価値を提供しようともがき苦しむ、というのがロボット事業の常です。

ですが、こうした紆余曲折を経て、どうにか発売にこぎつけられたロボットたちが少しでも「世界初」の要素があると自身を持って提供できることが、ロボットの面白さだと思っていて、いまもロボットと向き合っています。

ドバイの皇太子にLOVOTをご紹介



Q4 今回起業するに至った流れを含め、「Muso Action 株式会社」について教えてください。また目指していることが何かなども教えてください。


村山 もともと起業に興味を持ったのは、SoftBankやGROOVE Xで大変お世話になった、GROOVE X社長の林要さんの影響が大きいです。林さんは、PepperやLOVOTを商品開発に向けて、ハードウェア、ソフトウェア、及び、体験設計、といった幅広いエンジニアやときにアーティストたちをまとめ、導くビジョン・リーダーシップを強く持ってらっしゃいました。そうした背中を間近でみさせていただき、こういう人になりたいと思いっていました。そうした背景から、ぼんやりと「いつかロボットに関わる会社を立ち上げたい、100万台使われるようなロボットを世に届けたい」と思うようになりました。

今回起業に至ったきっかけは、生成AIの技術進化が、ロボットの領域に流れ込んだと感じるようになったためです。数年ほど前から、生成AIの要素技術(Transformerや大規模言語モデルなど)を活用した研究開発がアカデミックを中心に行われていましたが、目立った成果は挙げられていませんでした。2024年の後半ごろから、アメリカ、中国のスタートアップから、ロボット基盤モデル(VLAとも呼ばれます)という形で相次ぐ発表があり、まさにロボット版生成AIとして、「言語指示をすると、ロボットアームが目の前にあるモノを掴んだり操作したりすることができる」ようになってきました。これらの技術の進化が、今までにないほど大きくロボットのビジネスを変化させるだろうという確信を持つようになり、この領域のど真ん中でビジネスをやるためにMuso Actionという会社を立ち上げました。

今後目指しているのは、Muso Actionがロボットの精度の高い頭脳(ソフトウェア)を開発し、物流、製造業、小売などでの軽作業を自動化するビジネスとして広く使っていただけるようになることです。絶賛、研究開発、お客さま訪問、採用など、走り回っております。



Q5 最後に一言どうぞ!

村山 とにかくエンジニアさんを募集しています! ロボットの制御などのみにかかわらず、機械学習、基盤モデル、バックエンドなど、幅広い領域でのエンジニアを募集しております! 少しでも興味持っていただけましたら、HP経由でご連絡いただけると嬉しいです。 https://muso-action.com/



麻布流儀編集部 ありがとうございました!またAZABO PROJECTでもよろしくお願いします!

以上、今回は、麻布流儀→AZABO PROJECTを通じて交流している麻布OBの起業に伴いインタビューを行いました。








(去る8月下旬に麻布OB9名でAZABOオフ会を実施してきました。一番若いのが村山さんで、上は1967年麻布卒で盛り上がりました。)

写真を小さく、モザイクかけて載せておきます、笑




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