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1994卒安達裕哉さんが新著を上梓!

麻布流儀編集部
麻布流儀編集部
date:2021/3/20

麻布流儀編集部です。

『知的であるかどうかは、五つの態度でわかる。』

『「なんで働かないといけないんですか?」と聞いた学生への、とある経営者の回答。』

『50歳以上しか採用しない会社の社長が言った、「人生の変え方」』。
そんな大人気コラムを次々と発表し話題のサイト『Books&Apps』の運営者、安達裕哉さん(麻布1994年卒)が

新著『人生がうまくいかないと感じる人のための超アウトプット入門』を上梓されました。これを記念し、麻布流儀では著者の安達裕哉さんに、紙上インタビューしてきました!

新著ご出版おめでとうございます。

【Q】新著の題名は『人生がうまくいかないと感じる人のための超アウトプット入門』ですが、なぜ今『アウトプット』をテーマとされたのでしょうか。

【A】心理学者のアルフレッド・アドラーが述べているように、「悩み」の本質は、評価されない、好かれない、無視される、認められないといった、対人関係に由来するものがほとんどです。

それに対して、アドラーは「自分の認識を変えよ、嫌われていいのだ」といいます。

それはある意味「悟りの境地」ですが、実際には人間の心はそんなに強くない。

では実際に対人関係を改善するにはどうしたらよいかといえば、これは「アウトプットの改善」のほうが、効果は出やすいと思います。

ただ、ここでいうアウトプットとは「創作活動」のことではなく、「他者の評価をうける活動」すべてだと考えてください。

それは挨拶のような簡単なものかもしれませんし、仕事の結果という、すぐには改善が難しいものかもしれません。

ただ「自分の心」を変えるよりも、「自分の態度」を変えるほうが容易い。

自分の中を見つめて悶々と悩んだり、自己啓発に身を投じるより、形だけでも他者の目に映る自分をどう変えるかを優先すれば、「うまくいかない」という感覚は解消されることが多いです。

それが「アウトプット」に着目した理由です。

 

【Q】仕事だけではなく、私生活でもアウトプットを活動の中心とせよというメッセージも新鮮でした。

【A】仕事は人生のほんの一部にすぎません。

むしろ、悩みの多くは、私生活の人間関係から発生しているのではないでしょうか。

そういう意味で、「他者の目に映る自分にアプローチする」というアウトプット中心の発想は、仕事に限らず役に立ちます。

 

【Q】本の中で、主人公が仕事の一環としてSNSでバズらせるエピソードが出てきます。安達さんご自身も運営サイト『Books&Apps』の記事で度々バズを経験されていますが、現代人にとってバズっていったいなんでしょう?バズったあとに世界の見え方が変わったりしますか?

【A】「現代人にとってバズとは」というご質問に対しては、「噂話」と同じようなもの、と回答いたします。

ですから、実は大した話ではありません。

したがって、バズる記事を書いたからと言って、私生活には特に変わったことはありません。

ただ、私の中では、バズにも「よいバズ」と「悪いバズ」があります。

よいバズは誰かに感銘を与えるバズです。

悪いバズは誰かを貶めるバズです。

後者のバズは「人を呪わば穴二つ」という通り、自分の人生にもネガティブな影響を及ぼしますので、誰かを貶める記事は書かないようにしています。

 

【Q】今までのご著書『「仕事ができるやつ」になる最短の道』『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう見につければいいのか?』などでは「仕事」をテーマにした、乾いた筆致のハードボイルドでややドライなビジネス指南エッセイでした。今回は物語形式ということですが、ほかにも今回の本で試した“仕掛け”があれば教えてください。

【A】仕掛け、という話ではないので、回答になっていないかもしれませんが、今までに書いた3冊は、いずれもBooks&Apps上に掲載した記事を再編集して本の形にしたものです。

それに対して、本作は完全に新作、書き下ろしなので、そこは単著においては、初めての試みでした。

 

【Q】コロナ後の世界、特にコロナ後のキャリア形成やライフスタイルの変化をどのように予想されていますか?

【A】「どうなるか」についてはよくわからない、としか申し上げられません、もっともらしく語ることはできますが、どうせ何かを言っても、外れるでしょう。

ただ、「どうなりたいか」については、テレワークがもっと普及すれば良いと思っています。

多くの人が、会社に閉じ込められて働くことの不条理さを分かったと思いますので。

「対面じゃないとできないこと」なんて、実際には限られてますから。

ただ働き方が自由になった分、成果に対する要求は厳しくなると思います。

その時「アウトプットを意識した働き方」が身についている人は有利でしょう。

 

【Q】「麻布流儀」のインタビューということで、ご自身の麻布生活について教えてください。麻布での経験は、ご自身の人生にどのように影響していますでしょうか。

【A】世間的な麻布生のイメージは、自由で、勉強ができる子供たちのイメージがあるでしょうが、私に限って言えば、自由でもなく、勉強ができるわけでもありませんでした。

他の人がどう感じていたかは知りませんが、特に私が学生生活の時間の大半を投じていたバスケ部は、上下関係に厳しく、服装も自由ではありませんでした。

先輩の言うことには絶対服従、練習中に水を飲むことも許されず、「考えてバスケをやっていた」という感じではなかったです。

つまり「思考停止」してました。まるで硬直した大企業の組織の一員です。

「それでもあの経験はよかった」と言えれば美談なのでしょうが、そこまで美談ではなく、私が得たのは「組織は理不尽」という事実と、理不尽な人たちとの付き合い方です。

ただ、これは社会に出てから大変、役に立ちました。

面子やプライドというのが、上下関係のある組織では非常に重んじられることを、社会に出る前に学べたからです。

とはいえ、私は麻布という学校に感謝しています。

「中学・高校と全く勉強しなくても、何も言われず、放っておいてもらえた」からです。

この「放っておいてほしい」は、私が就職活動をするとき、コンサルティング会社に入りたいと思った、強い動機でした。

管理されるのが嫌だったので、できるだけ自由で、放任の会社が良かったのです。

結局サラリーマンを辞めて、自分でメディアをやって、会社を作ろうと思ったのも、「誰からも指示されたくない」という、何の変哲もない理由からです。

なので、一生こんな感じだと思います。

今更ですが、麻布以外の学校では馴染めなかったかもしれません。

 

【Q】次の本で取り組みたいテーマはどのようなものでしょうか。

【A】今出した本が売れないと、もう声がかからなくなると思いますが、もし次も出せるチャンスがあるのであれば、起業について書いてみたいです。

自分でやってきたことしか書けないですが、もう10年近くやってますので、だいぶいろいろと分かりました。

起業の本質はゲーム。そして、非常に面白いゲームであることは間違いないです、そのゲームを攻略する、みたいな本がいいですかね。

売れるかどうかはわかんないですけど。

 

【Q】安達さんの文章の多くは、キャリア形成や仕事のやり方で悩む若者に対して、押し付けがましくなく「こういうやり方があるよ」「こう考えたらいいじゃない?」とさりげなく提案しているように感じます。

もし15歳のころの自分、30歳のころの自分に手紙を書くとしたら、どんな言葉を送りますか?

【A】自由にやればいいんじゃないの、で。



ありがとうございました!





新著『人生がうまくいかないと感じる人のための超アウトプット入門』

 

安達裕哉さんプロフィール




1975年東京都生まれ。1994年麻布高校卒。筑波大学環境科学研究科修了。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間コンサルティングに従事。在職中、社内ベンチャーであるトーマツイノベーション株式会社の立ち上げに参画し、東京支社長、大阪支社長を歴任。大企業、中小企業あわせて1000社以上を訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。その後、起業して、仕事、マネジメントに関するメディア「Books&Apps」(読者数150万人、月間PV数200万にのぼる)を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う。