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麻布→東大→プロレスラー?2003年卒小林祐太さんとは?

麻布流儀編集部
麻布流儀編集部
date:2018/4/19


写真提供/DDTプロレスリング



麻布流儀編集部です。

今回は、麻布OBで、変わったお仕事をされている2003年卒(平成15年卒)の小林祐太さんをご紹介します。職業としては映像ディレクターなのですが、ただの映像ディレクターではありません!小林さんはDDTプロレスリングの映像班のディレクターであり、そして、プロレスラーだったりします!



2月にはそのDDTの映像班がYahooニュースに取り上げられていましたが、まさかこれが麻布のOBだったとは!!!

「リング上で労使交渉に発展!大社長のパワハラに史上最大の下克上 全社員の期待を背負ったDDT映像班が怒り爆発」

(クリックすると外部記事に遷移します。リンク切れの際はご容赦ください)



これはお話を聞いてみたい!ということで、インタビューしてみました。



ー小林さんは映像ディレクターでプロレスラー(@@)?ということですが、その経緯を教えてください!併せて麻布時代のことなども教えてください!



小林 麻布時代の話からしますと、中学1年時にパソコン同好会に入ったもののあまり馴染めず、中1の終わり頃に柔道部に入部。「帯をギュッとね!」というマンガがきっかけでした。

柔道部で活躍はしなかったものの活動を行う傍ら、中3の文化祭から文化祭実行委員会(運営部門)に入り、文実・運実活動に勤しむようになり、高1の運動会で運営副部門長、高2の文化祭で運営副部門長、高2の運動会で運営部門長を務めました。

高2の文化祭のときに柔道部の同級生たちが中庭でのプロレスをやっていて、自分も参加したかったものの文実活動で叶わなかった…というのがいわば麻布時代唯一の心残りで、東京大学入学後に学生プロレスのサークルがあることを知り、男子校から共学になったことで迎えるはずだった“華のキャンパスライフ”にも未練はあったものの、学生プロレスといういかにもモテなさそうな道に足を踏み入れてしまった…というところから今に至っています(笑)。

流れでその後のことも簡潔に言いますと、大学で4年間学生プロレスをやった後、修士1年のとき(2007年)に東大の学園祭“五月祭”で、当時DDTプロレスリングの所属選手だった飯伏幸太選手という人と試合をしたことがきっかけとなり、同年9月にDDTの傘下だったユニオンプロレスに入団(ユニオンにはもともと学生プロレス時代の先輩だった竜剛馬という選手もいました)。ユニオン入団後のリングネームが「DT-YUTA」です。今もこの名前で試合をしています。

大学院生の傍ら月2試合程度ではありましたがプロレス活動を続け、修士課程を終了した2009年の3月をもってプロレスを無期限休業。2009年4月から番組制作会社に入社し、ADを経てディレクターになりまして、2014年ごろから時折DDTの映像業務を手伝うようになりました。背景には、今回同じく試合をする映像スタッフの今成夢人という男が学生プロレス時代の後輩だということもありました。

2015年の12月から、正式にDDTプロレス映像班のスタッフとしてDDTに戻ってきました。 基本的に試合をしたりはしていなかったのですが、今年2月に行われた男性限定の特別興行で社長(高木三四郎。もともと社長兼所属レスラーです)を相手に待遇改善を求めて試合をし、その場での社長の提案から今回の映像班主催興行を開催する運びとなりました。


写真左のパイプイス攻撃しているのがDT-YUTAこと小林祐太さん。



ー小林さんの勤めるDDTプロレスが目指しているもの、映像ディレクターとして目指しているものなど教えてください。

小林 株式会社DDTプロレスリングは昨年9月、サイバーエージェントグループの一員となりました。同じグループであるインターネットテレビ「AbemaTV」で主要大会を生中継したり、また今月からは毎週火曜の19時から、「ゴールデンタイムにプロレスが帰ってくる!」をキーワードに大会の生中継番組「DDT LIVE! マジ卍」もスタートするなど、これまでプロレスに触れてこなかった層にもプロレスを見てもらいたい、触れてもらいたいと考え発信しています。

これだけ娯楽が多い現代ではありますが、そんな中でもプロレスは他のエンターテインメントに負けない魅力がある!そう信じて世間に発信し続けていこう、というのが現在のDDTのスタンスです。

プロレスと映像、ということで言えば、そもそも日本でプロレスの土壌が育まれた一因には“街頭テレビ”があり、ゴールデンタイムでの生中継があり…というわけで、プロレスと映像にはその最初期から密接な関係があります。

DDTは今年で旗揚げ21周年を迎えますが、団体の初期から映像を大事に考えてきたところがあり、試合前のバックステージの模様、そこでの事件を映像で見せたり、あるいは試合に至った選手同士のこれまでの経緯を整理して“煽りV”として流したり…といったこともしてきました。前述のAbemaTVでの番組もそうですが、プロレスに映像を加えることで可能性は大きく広がるのではないか、と思って活動しています。




写真一番右がDT-YUTAこと小林祐太さん。



ー小林さんが考えるプロレスの魅力についてお話しください。

小林 シンプルに技の迫力やスピーディーな攻防を見せられたときの爽快感といった魅力もありますし、人それぞれの楽しみ方があるとは思いますが、私自身が思う魅力を一言でいえば“懐の深さ”かな、と思っています。

たとえばボクシングや総合格闘技などが(基本的には)“相手の良さをいかに封じ込めて自分が勝利するか”を追求するのに対して、プロレスの場合は“相手の良さを最大限に出させた上で自分がその一枚上をいく”ということが念頭に置かれています。相手の良さを引き出すために、攻防の中にも“間”が生まれ、そういった“行間”から選手の感情がにじみ出てきたりもしますし、見ている人も思いを巡らすことができます。相手を受け入れる“懐の深さ”であり、また選手自身や観客の色々な思いを受け止める“懐の深さ”です。

それにプロレスラーもそれに関わる我々のような人も含めて、生き方としては不器用な人が多いというか、なかなかほかの社会ではうまく生きられないような人が多い印象もあります(笑)。そういう人たちを受け入れてくれる“懐の深さ”。

プロレスラーには個性的な人が多いですが、よくよく見ていくとその中での葛藤、感情の動きは案外“普通の人”だったりしますし、見ている側も自分の人生を投影しやすかったり、感情移入できるポイントが多々あったりするように思います。もちろん“野球に救われた”“ボクシングに救われた”という方も世の中にはたくさんいらっしゃるとは思うのですが、競技人口や観客動員数との比率を考えたら“プロレスに救われた”という方の数は多いのではないかな、と思っています。



ー最後になりましたが、今回(2018年4月23日)の映像班主催興行「ベータマニア」についても教えてください。



小林 DDTプロレスリングの映像班が主催するプロレス興行です。普段は試合を撮影したり、試合前に流れるVTR(いわゆる“煽りV”)などを制作し、大会の裏方である我々ですが、今回は我々自身が主役となります。映像班(班と言っても実質2名ですが…)の我々がマッチメイク、VTR制作等も行い、試合もします(笑)。

チケットは前売りでHDシート(特別リングサイド/特典DVD付き)7,000円、SDシート(自由席)の方は1,800円と、自由席はお求めやすくなっているのでぜひよろしくお願いします。

麻布OBの皆様、変わった道に進まれている方も多いかと思いますが、こんな奴もいるのか、と気軽にお越しいただければ幸いです。

dt-yuta@ddtpro.com までご連絡いただければチケットの取り置きも可能ですので、何卒よろしくお願い致します!

https://www.facebook.com/events/167188327431976/?ti=cl







ーありがとうございました。



ぜひ、麻布OBのみなさま、DT-YUTAこと小林祐太さんを応援しましょう!来週月曜日4/23のことではありますが、興味のある方はぜひ上記のfacebookのイベントページまたはdt-yuta@ddtpro.com まで。





最後に簡単なプロフィールを。

小林祐太(DT-YUTA)

1985年生まれ。2003年、麻布高校卒業。大学に入り学生プロレスの道へ。2007年3月 東京大学教育学部卒業、2009年3月 東京大学大学院総合教育科学専攻修士課程修了。大学院時代にユニオンプロレスに入団し、DT-YUTAの名前でリングデビュー。その後、修士課程を終了をもってプロレスを無期限休業。2009年4月から番組制作会社に入社し、ADを経てディレクターに。2014年ごろから時折DDTの映像業務を手伝うようになり、2015年12月、正式にDDTプロレス映像班のスタッフに。そしてこの度、2月の一件を経てリングに立ちます。