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コロナワクチン準備中~私を月まで連れてって。

高橋宏和(H4卒)
date:2021/3/15

〈Fly me to the moon 私を月まで連れてって
Let me play among the stars 星の海で遊ばせて
Let me see what spring is like on 木星や火星の
A-Jupiter and Mars 春ってどんなものかしら〉
(photoACより)
あの頃は、毎晩ヘレン・メリルがかかっていた。
実話か都市伝説かは知らない。
ケネディ大統領がNASAを訪れ、たまたま居合わせた掃除夫に聞いた。「あなたはここで何をしてるんですか?」
掃除夫は床を拭くモップの手を止めて背筋を伸ばし、胸を張って言った。
「私はここで、人類が月に行くお手伝いをしています、ミスター・プレジデント」(*)
 
童話にも似たような話がある。
旅人が建設中の教会を通りかかった。3人のレンガ職人が、レンガを積んでいる。
旅人は尋ねた。ここで何をしてるんだい?
1人はこう言った。
「見りゃわかるだろう、レンガを積んでるんだ。毎日まいにち同じことの繰り返しさ」
2人目の職人は言った。
「壁を作ってるんだよ、仕事だからね。オレはこれで家族を養ってる」
3人目の職人は言った。
「教会を建ててるんだ。神に奉仕してるんだよ!教会が完成したら、ここでみんなが祈り、癒されるんだ。素晴らしいだろ!」
旅人はそれを聞くと、また旅を続けた。
 
2020年、コロナ禍で世界は変わってしまった。
この傷が癒やされるまで、10年はかかるという者もいる。まさに人類の歴史に残る災厄だ。

コロナからの経済回復、貧困層は10年以上 オックスファム

だが人類は、叡智によってこれを乗り越えるだろう。そう信じる。
もしぼくやあなたや彼らやみんながこのコロナ禍を生き抜けば、10年後20年後には、月旅行にだっていけるだろう。未知のウイルスに対するワクチンを一年たらずで完成させ、世界中でバンバン打ち始めているんだから、人類の叡智はそれだけすごい。 
ぼくはぼくで、目の前の出来ることを一つ一つやっていく。
 
悩むところもあるが、うちのクリニック・中條医院でも新型コロナウイルスのワクチン接種をやることにした。今までどんな病気にかかったことがあるか、腎臓の機能は落ちていないかのデータがないといけないから、当面のあいだはかかりつけの患者さんのみワクチン接種を行う予定だ。
もちろん、うまく運営できるか不安だし、正直うちのクリニックの規模ではうまく行ってもワクチン接種できるのは合計1000人くらいだろう。例年のインフルエンザワクチン接種の実績からいってもそんなもんだ。60数万人の船橋市民の数からいったら微々たるものだし、一億人の国民や世界数十億からいったら誤差範囲みたいなものだ。
 
だが将来、うまいことみんなでコロナ禍を生き抜いて孫ができて、その孫が歴史の教科書を開いて「おじいちゃんはコロナのころ何してたの?」と聞かれたら胸を張ってこう答えようと思う。
「おじいちゃんはね、人類がコロナを克服するお手伝いをしていたんだよ」
Let’s heal the world together, bros.&sis.

 

(*)・・・ケネディ大統領の話、ググるとジョンソン大統領バージョンもありますね。ザッカーバーグもスピーチのネタにしていた。

まあ普通に考えて、大統領が視察に来るなら掃除も一時中止させとく気もするので、都市伝説でしょうが。
原典ご存知なかた教えてくださいませ。
(『カエル先生・高橋宏和ブログ』2021年1月29日を転載)