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マツゲン先生旅日記「バルカン半島の旅」2015その2

麻布流儀編集部
麻布流儀編集部
date:2017/11/4

麻布流儀編集部です。「バルカン半島の旅」2015その2となります。

マツゲン先生旅日記「バルカン半島の旅」2015その1はこちらをクリック!

それでは続きです。*一部キャプションなど入れると見えにくいなどあり、カットさせて掲載させていただいております。

アルバニア

次に、ギリシャからマケドニアへ行くつもりが、当地のバス・ステーションにはアルバニア行きバスしかなく、とりあえずアルバニアの首都ティラナへ向かうことにした。車は山岳地帯に進路をとり、ギリシャとアルバニアの国境を渡り、マケドニア国境近くを走る。マケドニアとアルバニアにまたがる広々としたオフリド湖は良い眺めだ。水浴をしてみたいと思わせる湖である。バスの窓辺からよく見ると、湖水浴客があちらこちらにいた。朝の9時半に出発したバスが山間で昼食休憩したのが午後3時、このときを心待ちにしていた。早速、向かいのテーブルで客が食べていた大盛りのスパゲティとビーフが目に入り、同じものを注文して食べた。ところが、腰のある麺とは程遠く、日本でこんな代物をだすレストランはないだろうと思いながら、とにかく平らげた。山を下って、ティラナに到着したのが午後の8時、さすがに10時間を超えるバスの旅は疲れたが、下車してすぐに宿が見つかった。ギリシャとの時差は1時間、時計を1時間戻す。

夜遅く、人通りもまばらなティラナの街に出て、レストランを見つけ、そこで一杯、この地のラキという強い酒を飲んでみる。その場に日本人とおぼしき青年が一人、テーブルでパソコンに向かっていた。こんな辺国で日本人がいるという驚きから声をかけてみたところ、実は韓国人であった。彼は28歳、会社から一人派遣されて、この地に1か月滞在するという。仲間が誰もいないところで、アルバニア語も理解できないのに仕事をしている逞しさに感心した。

翌日、迷った挙句、アドリア海を見にドゥラスという海岸町で泊まることにした。まずは、50ユーロ(約6900円)をこの国の通貨レクに両替屋で換金すると、6959.99レクが返ってきた。これだけあれば、明日までやっていけるだろう。次に、旅行書にでていたバス停まで行くが、そこには停留所がない。売店で訊くと2キロ先にあるというので、また暑いさなか荷物を引きずりながらとぼとぼいくと、ミニバスを見つけた。ドゥラスに着くとさらに暑い。町を通り抜け、海岸沿いを歩き、1時間ほど歩いたところで「地球の歩き方」にあるホテル・クリスタルを発見した。ホテルの前は海岸、家族連れや子供らが夕涼みに繰り出す和やかな光景があった。

 

モンテネグロ

ドゥラスからシェコダルへは、朝7時発のバス一本しかない。シュコダル経由で、次の国モンテネグロへ進む。国境には車の長蛇の列、出国手続きで待つこと1時間、なぜか入ツィニィへ、そこで昼食、レストランはなく近くのスーパーでパン、ソーセージ、ジュース、水を買ってきた。そこからのバス道路は海岸沿いにへばりついている。左はアドリア海、右は切り立つ岩山が迫ってくる。モンテネグロという名称通り、緑の少ない「黒い山」がバルカン半島の内陸部まで覆っている。日本の山岳風景とは違う。ブドヴァのバス・ステーションについたのは午後3時、通りに出たところで何人かに声をかけられてプライベートルーム(個人部屋)宿泊を誘われ、マンションの一室に2泊することになった。小さな町の通りは水着姿の男女が闊歩しており、その姿は肉体美を誇り、競っているようだ。ヨーロッパ各地からヴァカンスに来ている人たちが多いのだろう。アルバニアとは異なり、ここには華やかさがある。ぼくもアドリア海で泳ぎ、穏やかな海を堪能した。世界遺産コトルの旧市街にも足を運んだ。

 

 

 

クロアチア

クロアチアへは、まずボスニア・ヘルツェゴヴィナの海岸沿いの土地を10キロ跨がなければならない。ボスニア・ヘルツェゴヴィナはどうにか海へ抜ける土地を確保しているのだろう。クロアチアの世界遺産ドブロヴニク旧市街までブドヴァからそう遠くいないのだが、そのようなわけで国境を2度渡った。無数の小さな海水浴場見下ろし、岩山にへばりつく赤茶けたレンガ屋根の家々を見上げながら、海岸道路は走る。クロアチアの南端にある中世の海洋交易の要衝ドブロヴニクには観光客が続々と来る。地中海クルーズ船で海から訪れる人たちも多い。だが、20年ほど前は旧ユーゴスラビアからの独立戦争で泥沼化し、5年もの戦闘が行われた。この地域も大量の砲撃を受け、ドブログニクは危機遺産となっていたそうである。

さて、ドブログニクから次の訪問地ボスニア・ヘルツェゴヴィナへ移動する日のことである。宿の近くで巡回バスに乗り込み、まずバス・ステーションに行くところが、乗るべきバスを間

違えて途中で慌てて降りた。ぼくの持ち物はキャスター付きスーツケースとデイバッグであるが、そのデイバッグをバスの中に置き忘れてしまった。なんということか、スマホ、電子辞書、カメラ、旅のメモ帳等など、二番目に大事なものを入れておいた。一番目に大事なパスポート、お金の類は身に着けている。以前、成田空港で搭乗直前トイレに銀行カードをいれた財布を落として以来のことだ。降りたところにいた人に聞くと、巡回バスだからまた戻ってくるという。が、バスの中のバッグはどうなるだろうか。近くに来たタクシーに頼んでそのバスを追いかけてもらおうとしたが、だいぶ前に走り去ったバスには追い付かず、また同じ場所へ戻ってきた。そこで待つこと1時間、あのバスがきた。急いで飛び乗ると、運転席の前にそのデイバッグがちょこんと置いてある。運転手には何度もお礼を言い、いつもながらついているなと、安堵した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はここまで!

マツゲン先生旅日記「バルカン半島の旅」2015その3の最終回、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ編、マケドニア編、ブルガリア編こちら

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