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2003年卒DT-YUTAさんを生で応援してきた

麻布流儀編集部
麻布流儀編集部
date:2018/4/24

先の記事でも紹介させていただいた通り、2003年卒の小林祐太さんが4/23DDTプロレスの映像班主催興行でリングに立った。

*写真には多少の流血シーンが含まれますのでお気をつけください。


写真提供/奥村剛 木高イサミに自分の用意したカメラに叩きつけられるDT-YUTA



DT-YUTAこと小林祐太さんって?

「プロレス?」「映像班?」一体なんのこと?と思った方のために改めて少し解説。

小林祐太さんは、2003年麻布から東大に進学し、学生プロレスの道へ。そして東大大学院時代にはDDTプロレス傘下のユニオンプロレスからDT-YUTAの名前でデビュー。大学院卒業2009年3月のタイミングでレスラーとしては無期限休業し、番組制作会社へ就職し一度はプロレスの道を離れたのです。そして映像ディレクターとなった小林さんは2014年ごろから時折DDTの映像業務を手伝うようになり、2015年の12月から、正式にDDTプロレス映像班のスタッフとしてDDTに戻ったのです。

小林さんはあくまでも映像班として戻ってきてから試合には出ていなかったとのことでしたが、今年2月に行われた興行で社長(高木三四郎。もともと社長兼所属レスラー)を相手に待遇改善を求めて試合をし、その場での社長の提案から今回の映像班主催興行を開催する運びとなったそうです。

4/23新木場1stRINGで開催されたDDTプロレス映像班主催興行「ベータマニア」にお邪魔して実際に試合を見てきました!

映像班と言ってもメンバーは小林さん入れて2人。つまり、この興行は小林さんプロデュースの興行で自身もリングに立つというもの。

プロレスはドラマだ。お芝居という意味ではなく、興行に至ったストーリー然り、対戦者同士のドラマがある。

DDTプロレスは映像に力を入れているプロレス団体で今回の興行もスクリーンの映像で選手を紹介したり、映像の中でスタートしたストーリの続きとして試合が行われたり、映像の中の人物から選手に骨伝導で電話がかかってきたり(なんのこっちゃかわからないですね、笑)と、スクリーン映像と実際のプロレスリング上で起きていることが絡み合い、とにかく演出が満載のプロレスでした。

簡単にレポートします。写真はメインマッチのDT-YUTAさんのだけですm(_ _)m

オープニングマッチは福田亮平(DDT映像班OB) vs 石井慧介。元映像班OBの福田亮平はどう見てもプロレスなんてできない風貌の中、石井慧介選手の鋭いチョップに悶絶、確かに音もすごい。途中岡田レフリーの見られたくない映像がスクリーンに映し出され、レフリーがそちらに気を取られている間に他の選手が福田に加勢するなどこれはお笑い?という様子で進む。「さよならゲイ福…玉砕!粉砕!爆発!スペシャルエキシビションマッチ! 30分一本勝負」と題して行われたこの試合は8分24秒体固めで、野球チョップで吹っ飛んだゲイ福こと、福田亮平の敗戦。ただ敗戦後に福田はマイクを取り石井選手との思い出を語るという場面も。

そして第二試合「ユニバーサル・シリアル・バス選手権試合 時間無制限一本勝負」と題して行われた、<王者>ディープ・スロートwithゲノム兵A&ゲノム兵B vs <挑戦者>今成夢人のこの試合はまさに映像とプロレスのコラボ。そもそもユニバーサル・シリアル・バス選手権試合ってどんな意味なの?と見ている時はわからなかったが、あ、USBのことだったんですね。

なるほど、映像の中で、今成夢人選手のプロレスの得意技などのデータの入ったUSBを奪われ、記憶を失ったという状態からスタートだったのですがそんな意味だったのですね。しかし今成夢人さんはとても映像班の人には見えません、肉体も素早さも素晴らしい!映像の中から骨伝導で電話がかかってきて、記憶を失っている今成選手にあれこれアドバイスが来てという展開も面白いですが、ちゃんとプロレスとして楽しめました!善戦するもディープ・スロートのドクターボムで勝負決着、10分50秒片エビ固めでスロートが防衛に成功も譲渡、今成選手が新王者となるというオチでした。

第三試合「DT-YUTAプロデュースマッチ~腐れ縁と腐れ縁~ 30分一本勝負」、KUDO vs 726のシングルマッチ。今やDDTを牽引するKUDO選手が若き頃、DDTに入門した翌週に入ってきたのが726選手。726選手が当時運動もしていたわけでもなく、入門テストにも受かってもいない状態で、KUDO選手がが3ヶ月でデビューしたのに対し、726選手は大した練習もせず、レフリーをやったり格闘技の試合に出たりしていて、日焼けサロンに足繁く通い、デビューまで3年かかったという話がある。(そのエピソードはKUDO選手のブログにありました)そして726選手はDT-YUTAにとってユニオンプロレス時代の先輩にあたりそんな縁が絡んでのプロデュースマッチとなったようだ。

結果はKUDO選手のバックスピンキックで726選手を撃破、8分32秒片エビ固めでの決着。

KUDO選手の「久しぶりの試合どうだった?」という問いかけに、726選手は「KUDOさんと僕の流している汗の量を見ればわかるじゃないですか」と答える。さらにKUDO選手が「でも気持ちいいだろ」と聞くと、「あと5分長かったら死んでましたね」と726選手が答え、笑いが起こる。リング上で2人は缶ビールで乾杯、2人のやりとりが兄と弟のようでなんだかほっこりした試合となった。

 

そしてメインイベントにDT-YUTAこと小林さんが登場。試合まで対戦相手は伏せられていたが試合前の映像で木高イサミ選手と判明。DT-YUTA vs 木高イサミ。実に2009年3月7日のユニオン新木場以来の一騎打ち。3カウント、ギブアップ、KO、TKOで決着し、レフェリーが特に危険とみなした以外の全ての反則攻撃が認められる「ベータマニアデスマッチルール」が採用とのこと。

まさかのデスマッチ!




リングにはパイプイスや一斗缶が置かれ、DT-YUTA選手は有刺鉄線を巻いたカメラ+三脚を持ってリングイン。






DT-YUTA選手の奇襲攻撃、カメラ攻撃で場外にでた木高イサミ選手に鉄柱攻撃。早くも流血、逆にDT-YUTA選手も鉄柱&有刺鉄線カメラ攻撃を受けて流血。

痛そう、、、、

おまけ映像としてのDT-YUTA選手の最初の場外乱闘の模様を動画で!






その後、イス攻撃や一斗缶が飛び交い、とんでもない大きさのラダー(はしご)攻撃なども。DT-YUTA選手が、蛍光灯三脚付きの有刺鉄線カメラを持ち込むが木高イサミ選手に先に壊されてしまう。その蛍光灯三脚の上にDT-YUTA選手が木高イサミ選手にフェースクラッシャー。続くジャックハマーはカウント2。木高イサミ選手が垂直落下式ブレーンバスターで DT-YUTA選手の動きを止めて一斗缶を頭に被せて、さらに一斗缶でぶん殴るとボディースラムから一斗缶をDT-YUTA選手の上に並べ、自分も一斗缶をもち、とんでもない高さのラダーの上からDT-YUTA選手めがけてダイブ、12分22秒片エビ固めで木高イサミ選手の勝利となった。その技の名前は、「ギガラダーブレイクwith一斗缶・オン・ザ・一斗缶」とのこと!

そのフィニッシュまでの一連を公開!

試合後、木高イサミが「映像班なしでは僕ら試合はできるけど、それをもっともっと面白くしてくれているのが映像班の力だと思ってますので本当に感謝してます」と語る。

DT-YUTA選手も、9年前から大切にしている思いについて話す。9年前にユニオンプロレスを去ったとき、木高イサミ選手が引き止めてくれたこと、「辞めてほかの道にいきます」と言ったDT-YUTA選手に、「オマエが自分で決めたのならそれが一番正しい」と言ってくたこと。迷ったときはその言葉を思い出してやってきたというエピソードを披露。




DT-YUTA、今成夢人、福田亮平の3人で「アルファ! ベータ! マニア!」で締めようとすると、引きカメも映像出しもリングサイドのスタッフも倒れてしまう。今成夢人は引きカメ、DT-YUTAはリングサイドカメラ、福田亮平は映像出しブースへとそれぞれが持ち場に。リング上は誰もいなくなってしまったが、それを撮り続けるDT-YUTA。観客席にもカメラを向ける。福田亮平が「僕たちで締めようよ! リングに誰もいなくても、僕たちはリングの外でプロレスしてるから! みんなだってそうだと思うよ! それぞれの人生でプロレスやってるだろうよ!」と語り、福田亮平の音頭で「アルファ! ベータ! マニア!」で締めた。

最後はMCの藤田と冨永が本部席で「いやあ、プロレスって本当にいいですね」。

まさに物語だった。それぞれの人生、プロレス。DT-YUTAこと小林祐太さんの作品を見せていただいた。

今回、映像ディレクターとしてリングに立った小林祐太さんの勇姿を見ることができた。それぞれの持ち場へ帰ったがまだまだ彼の戦いは続くのだろう。麻布流儀としても彼の今後を追って行きたいし、また麻布OBと一緒に彼の試合を観に行きたいと思った。

最後に、試合後にDT-YUTAこと小林祐太さんにコメントをいただきました。

小林 通常業務も忙しい中、色々と不安を抱えながら迎えた大会ではありましたが、お陰様で沢山のお客様にご来場いただき一同大きな怪我もなく無事に終えることができました。

麻布OBの先輩方にも多数お越しいただいたこと、大変感謝しております。

今回は我々DDT映像班の主催興行という形で、VTRはもちろんのことマッチメイクや選手以外のキャスティングも含め全て自分たちで行ったのですが、根本的な部分では普段やっていることと違いはなかったのかなと思っています。

それは“プロレスってこんなに面白いんだよ”“映像っていいもんなんだよ”と伝えること、です。

様々なエンターテインメントが溢れる時代の中で、我々はプロレスに魅せられ、映像に魅せられ、今の仕事に就いています。今回会場にお越しくださった先輩方も含め、普段あまりプロレスに触れていない方にもプロレスの魅力が少しでも伝わっていれば、今回の興行をやった意味があったのかなと思っています。

麻布OBの方々は皆様幅広い分野で活躍されていると思いますし、その“幅の広さ”とそれぞれの“深さ”がまた麻布の魅力の表れではないかと思っています。

そんな“幅”に添える一つのスパイスとして今後も活動していければと思っている次第です。映像班主催興行の第2回は未定ですが、DDTグループの主要大会では制作したVTRを上映しておりますので、ご興味持っていただけた方は是非一度会場に足をお運びください!

DT-YUTAさん、お疲れ様でした!

この試合、やっぱり動画で見たいという方は「DDT UNIVERSE」(https://ddtuniverse.com)という映像配信サービス(有料ですが)で試合の様子をご覧いただくことも可能となっているようなので、興味のある方はそちらをどうぞ。





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