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Pieces of a dream。

高橋宏和(H4卒)
date:2024/12/19

「それって、夢は何かってことですよね?」

K先生が言った。

「…セスナの免許取るってどうですか?」

会話や対話は楽しい。自分では絶対に出てこない発想がポンポン飛び出してくる。

「予定外に急に、2、3時間ヒマな時間ができたら何してます?」

ここのところ会う人ごとに、そんな質問をしている。

実際に自分がそんな目、すなわち突然2、3時間ヒマになって「さてどうしたものか」と困った経験があるからだ。

ちなみに、酒を飲むのは無しとする。

以前なら2、3時間ヒマになっても、ふらりと本屋に行ったりCD屋に行ったりした。

本屋に行くのは今も楽しいが、一方で、「この本のネタもとはたぶん古典のアレだよな。新しい本買うのもいいけど、ネタもとの古典はまだ読まずに積んであるし、読むべき古典はいっぱいあるな」という時期に入ってしまっている。

CD屋も、そうとうの店舗が街から消えてしまった。

若い時は街をぶらぶらするだけで楽しかったが、今は感性が摩耗してしまった。

酒を飲まないという“縛り”が無ければまた話は変わってくるだろうが。

急に2、3時間ヒマになったら何をします?という質問に対する答えは人それぞれだった。

「ヒマになったらジムに行ってる」

「料理。それか本屋に行ってレシピ本探してる」

「ひたすら散歩」

「葉巻バーで葉巻吸う」

「調べて映画見に行く。学生時代、映研だった」

「時間が空いた時に行くと決めている喫茶店がある。とにかく時間が空いたらそこに行って本読んだり」

「ヨガかな」

面白かったのは、

「歌を習おうと思ってる。別に誰に聞かせるわけじゃなくて、自分が歌うまかったら楽しくない?」

なるほど。

「ドローンとかどう?楽しいよ」

と言ってくれた先輩もいた。

「空からの視点なんて普通ないじゃない?前にドローン買って飛ばしたら楽しかった」

そんな中で出てきたのが冒頭のK先生の話だった。

余暇や空き時間を、“夢”実現のひとかけらととらえる発想は自分には無かったので面白かった。

たしかに「空を飛んでみたい」というのは人類の夢だ。

自分の実生活で空を飛ぶなんて無いことだし、セスナの免許を取るプロセスや、その気になればセスナ飛ばせるという感覚そのもの楽しそうだ。

そんなことを想像するだけで楽しくなってきた。

善は急げで、まずはセスナ買ってくる。


photoACより



『カエル先生・髙橋宏和ブログ』2024年11月6日より加筆修正)