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なぜTwitterでのやりとりではイラっとすることがあるのか考ー議論と会話、7並べとUNO

高橋宏和(H4卒)
date:2024/1/17

ネットでのコミュニケーションをこよなく愛する令和男子だが、ごくたまに、1ppmくらいの確率でイラっとすることがある。あまりにも文意からズレたコメントをもらった時だ。ちなみにppmはparts per millionの略で、「100万分の1」のことである。おととい水道橋のエジプト料理屋の帰りに教えてもらった。
 
たとえば「猫も可愛いけど、犬も可愛いですよね。この間、見た犬は」みたいなことをネットで発言したとする。
多くの人は「犬可愛いですよね。私も」みたいな反応を返してくれるが、「猫可愛いですよね!私も猫大好きです!私の飼ってる猫は」みたいなコメントをがんがんくれたりする。
それが甚だしいと、「猫の話は前フリで、こっちのしたいのは犬の話なんだよなあ。猫可愛がりもほどほどに」とかぶってる猫をかなぐり捨てて猫又になりたくなる。猫可愛いですよね(ここまでが前フリ)。
 
こうした発話者と反応者のすれ違いがなぜ起こるか考えた。
思うにこれはネットでのコミュニケーションを「7並べ」と捉えるか「UNO」として捉えるかの違いかもしれない。あるいは「議論」と「会話」の違いというか。
 
スタンダードな「7並べ」では、場にスペードの7があれば次に出せるのはスペードの6かスペードの8だ。
「ネットでの議論」でいえば、発話者は問題提起や話題提供というスペードの7を出したつもりでいる。
発話者の心づもりとしては問題提起、前提、前フリ→経験→考察や検討→結論、と話を進めたいと思ってカードを切る。だが議論の中で、経験の中で「そもそも前提がおかしい」というふうに、スペードの7から6に遡っても構わない。
 
だが「7並べ」のつもりでカードを切ったのに、「“スペードの7”が場に出てるなら7つながりでオレは“ハートの7”出すね!」「じゃあオレは“ダイヤの7”!」「オレは“ダイヤの6”」「じゃあ私は”クローバーの6”!」みたいに「UNO」のようなことをされると話がズレてゆく。
 
そういう時に発話者は「その話は主題じゃないのに」とイラっとするのではないだろうか。
ネット賢人の名言に「日常会話はUNOの如し」というものがあるが、「7並べ」をやるつもりが「UNO」にされてしまったらイラっとしてもやむを得ないのではなかろうか。
そうそう、「7並べ」といえばいろいろローカルルールがあって今まで一番面白かったのは(略)

photoACより