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#3 麻布流儀インタビュー「東京オリンピックでメダルを!」前編

麻布流儀編集部
麻布流儀編集部
date:2018/2/27
#3 麻布流儀インタビュー「東京オリンピックでメダルを!」前編

― いまから2020年までのステップはどんなものでしょう?何チームくらいいるのですか?

川田 世界には150チームくらいいます。日本には3か4チームです。

 

― 日本のなかではどのくらいの位置ですか?

川田 1位か2位という感じで実質1位だと思っています。うちより1年早く昔のナクラに乗り始めて、半年早く新しい飛ぶナクラに乗り換えて、既に昨年2017年夏、いち早くヨーロッパでレースをしてきたチームがSPN(株式会社エス・ピー・ネットワーク)って会社のチームなんですけど。

彼らにこの2ヶ月でほぼ追いついていると思っています。コーチングの体制とか、今までの経験とかポテンシャルからすると、どこで抜くかは時間の問題で、抜いたら二度と抜かれないと信じています。

でも、今度の3月の最初の代表選考で、出来ることならその時点で前に出ていた方が、印象としても今後1年間のマスコミへのアピールとかしやすいので、そこを目指してやっています。また、その選考は、2018年夏の世界選手権の出場枠をかけたものなんですけど、1位だともちろんもらえます。1枠か2枠かまだ決まってないですが、世界選手権の枠がもらえなかったとしても、2018年は春から夏にかけてヨーロッパで4レースをこなします。

その後、夏が終わったら帰ってきて9月に江ノ島で国際大会が2レースあるので、それが2018年のスケジュールです。目論見としては、今年中に国際大会では半分より上は目指してやっていきながら、今一番足りないのは練習相手がいないことです。

国内のSPNのチームも国際大会ではダントツビリで、練習していてもしょうがないので、今年夏までに外国人の練習パートナーを見つけて、秋冬にヨーロッパとアメリカで合宿して。そこでもっと実力伸ばして、2019年からは国際大会でも上の方を狙っていきたいなと考えています。

 

― 正式に代表に決まるのはいつですか?

川田 2019年の夏から秋のどこかですね。

橋本 結構ギリギリですよ。テニスなんかもっとギリギリに決まります。2020年の6月とか。その時点のランキングで決まりますから。

 

― ギリギリですね(笑)。ヨットは1年あるから早いとも言えるかもしれないですね。国際的に強いチームと日本のチームの実力差はやはり取り組むのが遅かったからですか?

川田 ヨットって、モノハルって1個のやつと、2個のやつがあって、日本はマルチハル艇が一切ないんですね。

沖縄のビーチとかで乗っているような遊び用のヨットはあるけど、レースをやっている人いないですし。北京オリンピックまでは、飛ばないマルチハル艇も採用されていたのですが、それも日本でレースしていた人いなかったし。日本では誰も知らない状況で。

海外ではジュニア、ユースから小型のマルチハルで始めて、そのまま大人になる人もいれば、どっかでモノハルに移る人もいるという、育成のプログラムもあるし、そういう伝統もある中で、日本で始めた1チーム目の人達は語学力やお金の問題もあって、誰にも教えてもらえず自分たちでずーっと日本で乗っていたので、正直乗り方そのものも分からず闇雲に進んできてしまって。

 

― それがそのSPNのチームなんですね

川田 そうですね。やり方が一番問題だったんじゃないかなと。

 

― そこに挑戦しようと思ったのはどうしてですか?

川田 現役に復帰する時に、いくつか候補の艇種があって、もともとやっていた470と、49erという男子同士で組むモノハル艇で迷っていて。

470は終わっちゃう艇種なので、次に向かっていく投資としては49erかなと思って始めたんですが、組む相手がなかなか見つからず、中途半端な感じでやっていて。

うん、組む相手かな。梶本さんがやっぱり今、日本のヨット界狭いなかで、一緒に組んで前を走れそうだな、っていうのがまず先にあった。そうすると男女で乗れる種目がナクラしかなかったということです。

 

― 復帰を決めたのは東京オリンピックが決定してからですか?

川田 もともと開催地が東京になる前から、復帰はほぼ決めていました。2015年のどこかで決めて。2015年いっぱいは、復帰を探っていました。いろんな船に乗ったり、相手を探して合宿を回ったり。筋トレして本当に出来るか確かめたり。東大ヨット部行って実際にいろんな所乗せてもらって、感覚がにぶってないか確かめたり。そんななかで東京が決まって、っていう流れだったと思います。

 

― 梶本さんは旦那さんもヨット選手だと聞きましたが、旦那さんと組まなかった理由は聞きましたか?(笑)

川田 ぼくも旦那さんとも仲良いんですけど、天才肌って言うのかなあ?

自分の興味ある船にぽーっと乗って、練習もあんまりしないでぱーっと走っちゃうんですけど、1ヶ月くらいで飽きて、次ウィンドサーフィン始めて、練習しないでわーって上手くなるんですけど、本当のトップになる前にまたすぐ飽きてやめちゃうようなタイプで(笑)。

オリンピック目指してトレーニング積んでいくには向いてないタイプで、本人も分かってるし、梶本さんも分かっているし、そういう感じです。クルーってつらい方のポジションと、ヘルムっていう舵持つどっちかっていうと楽な方のポジションとあるんですけど、梶本も旦那さんも二人ともヘルムがやりたくて、クルーはいやっていう二人なので、そもそも組めないねっていう話だったみたいです(笑)

 

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