オリエンテーリングで活躍する2010年卒 尾崎弘和さん!
2017年10月中国にて
オリエンテーリングってご存じですか?
麻布流儀編集部です。
オリエンテーリングというスポーツをご存じでしょうか?「オリエンテーション?」とよく混同して間違われますが歴としたスポーツ。麻布には40年以上の歴史があるオリエンテーリング部があり、近年では2009年にインターハイ個人・団体ともに優勝、昨年度団体優勝、今年度個人戦優勝とオリエンテーリングにおいて、麻布は名門なのです。
そんなオリエンテーリング部のOBで、麻布在学時代のインターハイ個人・団体優勝(2009年)、さらにインカレ優勝、アジア選手権団体優勝2回、個人3位など活躍を続けている2010年卒の尾崎弘和さんを今回ご紹介させていただきます!
あー、オリエンテーリング部ってあったなぁ、くらいで、オリエンテーリングをよく知らない方も多いと思うので、そのあたりから含め、尾崎さんにお話を聞きました。
「オリエンテーリングとは」尾崎さん解説&その魅力を教えてください
オリエンテーリングは、地図とコンパスのみを使って、コントロールと呼ばれる通過ポイントを順番にめぐり、フィニッシュまでのタイムを競う競技です。コントロール間はどのように行ってもよく、ルートを自分で決めなければいけません。そのため、森の中を全力で走りながらも、常に先のルートを考え、自分をコントロールすることが求められます。
街や公園で行われるスプリント、森で行われる優勝タイム30分程度のミドル、1時間半を超えるロング、3人で順番に走るリレーの4種目があります。
通常全種目取り組みますが、私はロングとスプリントを得意としています。今年は特にスプリントに力を入れて取り組みます。
オリエンテーリングは、知力、体力、精神力のすべてが求められるとても難しいスポーツです。難しいがゆえにとても奥が深く、ずっと自分を高めていくことができます。自然を相手にする中で、一秒の無駄を削り、体力の限界に挑戦するエキサイティングなところが最大の魅力です。
2017年全日本選手権(スプリント)
麻布のオリエンテーリング部のことも教えてください
麻布のオリエンテーリング部は、自由な雰囲気があり、頑張る人は頑張る、楽しむ人は楽しめる場所でした。私は、最初、楽しむ側でしたが、だんだんと競技に打ち込むにつれ、新たな環境を探していきました。私は、麻布の部活以外でも活動をしていましたが、そういった活動も受け入れてくれる懐の深い部活だと思っています。最近では昨年度団体優勝、今年度個人戦優勝と麻布は名門と言えます。
僕以外の後輩OBも積極的にオリエンテーリングに取り組んでいます。特に、濱宇津 佑亮、大田 将司は、私と一緒に海外の大会に出場したことがあります。彼らは、大学選手権で優勝を目指して取り組んでいます。
2017年トレーニングキャンプ(ラトビア)
オリエンテーリングを始めたきっかけは?
オリエンテーリングを始めたきっかけは、当時同じクラスだった友人の誘いからでした。何かスポーツをしたいと漠然と思っていた中、練習でサッカーができる部活があると聞いて参加した部活がオリエンテーリング部でした。入部当初はオリエンテーリングは何か全く知りませんでした。ただ、部活の居心地がとてもよく、オリエンテーリングを始めたら不思議とレースで勝てたので楽しくなり、いつの間にか生活の中心になっていました。
麻布時代の戦績は、2009年インターハイ個人、団体戦制覇です。この時は、麻布にとって10年ぶりの優勝でした。その後は、2016年に後輩たちが団体戦で優勝しています。
当時の記事がこちら
http://www.azabu-jh.ed.jp/club/ori/2008/ori2008.htm
早稲田大学に進学し、インカレ優勝やアジア大会優勝など素晴らしい活躍をされているようですが、何か1つ思い出の大会についてお話しください
2012年12月に行われた日本学生選手権が強く印象に残っています。私は、当時東大にいた2人のライバル選手に勝つためにレースを走りました。当時、彼らとはともに世界選手権に出場し、全日本大会でも同タイムでメダルを分け合うなど、実力が拮抗していました。その日も例外ではなく、まず私がトップタイムを更新して、後の二人を待つ展開でしたが、二人は私のタイムに迫る走りを見せてきます。そして、最終コントロールのタイムは3人とも同じ、決着は最終コントロールからフィニッシュでつきました。一時間以上森の中でレースをこなし、それぞれ全く違うルートを通っているにもかかわらず、レースは最後の直線で決まりました。
私にとってあのレースは、ほんの少しの差で優勝を逃した悔しさを思い出すとともに、レースの厳しさ、最後まで走りぬく大切さ、勝負の楽しさを感じた印象に残るものでした。
当時の動画がこちら
オリエンテーリングは東京オリンピックの追加競技候補に上がるも、漏れてしまいましたね
とても残念に思っています。スポーツは、オリンピック種目かそうでないかで世間の注目は全く違います。まだまだオリエンテーリングの知名度、認知度が上がるのは時間がかかりそうですが、これからも積極的に活動の幅を広げ、オリエンテーリングがオリンピック種目になる日を目指して取り組みます。
現状のこと、今後の目標などお話しください
大学院に通いながら、活動資金が十分ではないのでアルバイトなどをしながら取り組んでいます。
今年は、世界選手権、アジア選手権を目標にしています。特に世界選手権はスプリントを目標に、アジア選手権では全種目優勝を目指します。
将来は、世界で強い日本人選手として認知されたいです。そのために今後、世界の表彰台を目指して、活動していきます。現状、日本人で世界で通用する選手は、まだいません。私はその壁を破り、さらなる先の高みにたどり着きたいと思っています。
今は、陸上のトレーニングを中心にして取り組んでいます。世界との差は、足の速さが大半です。特に世界のトップは、陸上の世界でも通用するレベルです。そのため今年は、オリエンテーリングのみならず、「走る」という基本に立ち返ってトレーニングをしています。
世界選手権2014Sprint
http://worldofo.com/
http://runners.worldofo.com/hirokazuosaki.html
尾崎弘和さんの主な戦績2009年
第22回全日本高等学校オリエンテーリング選手権大会:団体戦、個人戦 優勝2010年
Asia Orienteering Championships:ジュニアクラス(M20E)ミドル2位2011年
第37回全日本オリエンテーリング大会:ジュニアクラス(M20E)2位2012年
第38回全日本オリエンテーリング大会:ジュニアクラス(M20E)2位
第一回全日本ミドルオリエンテーリング大会:2位(M21E)
日本学生オリエンテーリング選手権大会(ロングディスタンス):3位2013年
日本学生オリエンテーリング選手権大会(ロングディスタンス):優勝2014年
日本学生オリエンテーリング選手権大会(ミドルディスタンス):3位
日本学生オリエンテーリング選手権大会(リレー):3位
Asia Orienteering Championships:2位(ミドル)、3位(スプリント)、1位(リレー)2015年
第41回全日本オリエンテーリング大会:優勝(M21E)
第8回全日本スプリントオリエンテーリング大会:1位(ME)2016年
第9回全日本スプリントオリエンテーリング大会:2位2017年
第43回全日本オリエンテーリング大会:優勝代表歴:
2009-2011 Junior World Orienteering Championships
2012,2014 World University Orienteering Championships
2013-2017 World Orienteering Championships
2014,2016 Asia Orienteering Championships
2012, 2013, 2014, 2017 World Cup
以上、2010年卒の尾崎弘和さんをご紹介させていただきました!ぜひ麻布OBのみなさん、応援しましょう!