HCD対談会レポ「麻布という不治の病」
そして、おおた氏が麻布について書いている本、6冊を紹介。
『男子校という選択 』(日経プレミア新書)では、男子校あるあるを紹介し、男子校の教育を紹介。
『注目校の素顔 麻布中学校・高等学校』(ダイヤモンド社)は、他校のことも一校一冊という形で出していて、直前に話題にした「謎」の進学校 麻布の教え 、よりも先に出したのにと苦笑するおおた氏。
『男子御三家』(中公新書ラクレ)、『名門中学の子どもたちは学校で何を学んでいるのか』(ダイヤモンド社)。
昨年秋に発売の『名門校の「人生を学ぶ」授業』(SB新書)では、教科書的な授業ではなくていわゆるアクティブラーニング、麻布でも昔から行われているが、受験勉強とは違うけれど、灘や開成なんかでも行われていて、世間一般からは麻布生なんかは中高一貫で6年間ガリ勉のように受験勉強ばっかりやっているんだろうというイメージに対してアンチテーゼ的に書いた本であることを紹介。
また自分の中で代表作である、『名門校とは何か?』(朝日新書)での裏話をおおた氏が披露。
*麻布流儀ではホーム・カミング・デイを盛り上げるために、麻布流儀新聞を受付横で配布
おおた「ぜひ読んでいただきたい、と思う反面、この本の中で一箇所誤字があって。それが麻布について書いたところで、福田康夫さんと書くべきところをなんと福田赳夫さんと書いてしまい、さすがに編集者も校正者も誰か気づくべきなのに(笑)。私自身、福田康夫さんを頭に思い浮かべながら、福田赳夫さんと書いてしまった、そんなツメの甘さが麻布生らしいです(笑)」。そんなエピソードを話してくれた。
続いて、自身の著書で麻布ではなく武蔵について書いた本を披露。『名門校「武蔵」で教える 東大合格より大事なこと』(集英社新書)です。なんで武蔵を書いたのと言われることもあったようですが、取材する中で麻布と共通する部分、麻布と武蔵は兄弟的な、親近感の湧くところがあって、武蔵の人たちも麻布に親近感を持っている人が多いことなどに言及。
おおた「でもアイツラ(麻布)の方がちょっとヤバイ、って言ってくれている」ところなんかが面白いと語る。武蔵の良さというのはなかなか一般的にはわかりづらく、昨今武蔵高校の東大合格者数が減少傾向にあり、なかなか価値がわからない人が多いが、おおた氏は取材でその魅力を感じ書籍にされたとのこと。
またおおた氏の代表作といえる、『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎新書)についての話へと進む。