HCD対談会レポ「麻布という不治の病」
ここからはガラッと変わって対談形式でレポートします!
中田 麻布と似ているなぁと感じる学校。あるいはこの学校いい学校だなぁとおおたさんが取材した中から上げていただき、麻布との違いなどを平校長との間であぶり出してください
おおた 私が麻布以外にも色々な学校を取材して回っているので、そこの対比みたいなものをお話ししていきたいと思います。先ほど最後に見ていただいた、男の子の育て方に出てきたのが、本のタイトルの順番ですが、開成、灘、麻布、東大寺、武蔵の5校ですが、私は本当に似ていると思います。大好きな5校ですので本にさせていただきました。あえていうなら筑駒も似ていると思います。プラス地方の名門校というのも旧制一中二中なども先ほど申し上げたように似ていると言えます。平校長は色々な校長先生と対談されたり、雑誌の企画やパネルディスカッションなんかに参加したりしていると思いますが、すごく親しみを持ったりしている学校ってありますか?
平 私は、先ほどのプロフィールでも見ていただいたように、麻布しか知りません(笑)。やはり武蔵は自由闊達のところが似ているかな。向こうも私服ですし、文化祭の前には髪の毛を染めたりする
おおた 同じです!運動会がそっくり!あのやる気の無さが(笑)。だらだらしている。運動会で比べると麻布・武蔵は同じで、開成と対極にありますね(笑)
平 ただ、麻布は尋常中学校から戦後高等学校に行きますけど、武蔵は旧制高校から戦後中学が併設となったということでどちらかというと麻布よりアカデミックな感じがあります
おおた 学問原理主義、学問そのものに対しての信奉が強いという気がします。リベラルアーツという意味での自由、麻布の自由とはちょっとだけニュアンスが違う気もします
平 武蔵は2000年代の初めに高校入試をやめてしまって、ちょっと人数が少なくなったこともありますね。武蔵の校長先生、梶取弘昌先生という立派なお髭の方で、麻布に関心があって、3年前の文化祭で驚いたことがありました。音屋っていうこの上の音楽教室で生徒の演奏を私聞いてて、ふと後ろを振り返ると、武蔵の校長先生がいらっしゃるんですよ!元々東京藝術大学を卒業された声楽の先生なので関心があったのかなぁ、と思いましたが、その後、いろいろと校内を回っていると、新しくできたばかりの体育館を眺めていたり、生徒が講堂でやっていたフリートーキングの会に参加していたり、非常に麻布を気にしているのかなぁと感じました(笑)
おおた 僕も取材の時など、梶取先生にはすごく良くしていただいて、梶取先生が畑で作った野菜を送っていただいたり。梶取先生にとっての麻布生のイメージはおそらく僕が大きい部分を占めていたりすると思います(笑)
平 開成中高でいうと、バレー部が第36回開成との定期戦がありまして、私も少し顔を出したんですが、中学は2-0で勝っていましたね。その後はわかりませんが。地下の食堂で、開成と麻布のOB交えての懇親会を行いました。最後にエールの交換もあり、開成の生徒は詰襟に黒ボタンでピシッと並んでいて、さすが開成だなと。ちょっと横を見ると麻布生はだらっとしていて(笑)。非常にコントラストがありましたね。私の頃はみんな詰襟に黒ボタンでしたがね
おおた 僕の頃は半分半分でした。どっち着て行ってもいいよということで。僕は制服派で、朝選ぶのがめんどくさかったですし
平 今はもうほとんど私服ですね