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仕事や勉強のコツは”キリの悪いとこ”でやめる。

高橋宏和(H4卒)
date:2024/8/15

仕事や勉強で一番めんどくさいのはいつか。間違いなく取りかかる時、そして再開する時である。
 
「君らね、勉強するとき“キリのいいとこ”までやるでしょ。あれ間違いなんだ。
勉強してたら、わざと“キリの悪いとこ ”でやめるの。
“キリのいいとこ”まで勉強して中断するとね、再開するのがすごく億劫になる。 “キリのいいとこ”までやってあるからまだいいか、って気になるのね。
 
“キリの悪いとこ”で勉強を中断すると、なんだか気持ち悪いんだな。 なんだか中途半端だから最後までやっちゃいたい、って気になって、もう一回勉強を再開するのが楽になる」
 
そんなことを教えてくれたのは中学校の英語教師、M先生だっだ。
中学校で教わったことはほぼ全て忘れたが、この“仕事や勉強はあえてキリの悪いとこで中断せよ”という教えは覚えている数少ない教えの一つだ。
 
最近読み返した本の中にこんな一節があった。
本多正識氏の『1秒で答えをつくる力』の中で、本多氏が仕事のこなし方をこう書いている。
新作コントの台本を書く仕事をもらったとする。仕事のこなし方は5つのステップに分かれるという。
 
〈ステップ1 依頼があった日に隙間を見つけて15分考える 達成目標20%〉(上掲書 kindle版55/301)
 
「いつかまとまった時間つくって仕事しよう」ではなく、「仕事もらった日に、とにかく着手しよう」なのである。
「めんどくさいな」という気持ちが湧く前に、とにかく取りかかってしまう。そしてあえて“キリの悪いとこ”でやめておく。
 
実際、仕事や勉強は放置すればするほど、「めんどくさいな」という気持ちが湧いてくるものだ。メールの返信とかもしかり。
 
だから「えいや」と始めて、そうはいっても一気に終わるわけないから“キリの悪いとこ”で止めておく。
そうすると頭の片隅でずっとそのことを考えていることになるし(それはそれでしんどいけど)、何より“中途半端なところまでしか終わってなくて気持ち悪いから早く片付けちゃおう”となって、再度取りかかるまでのハードルが下がる。
 
まあ一方で、「仕事は集中して一気に片付けたい」タイプもいるので、“キリの悪いとこ”で終わらせるやりかたが万人に向くかはわからない。
 
ぼく自身は、このあえて“キリの悪いとこ”で仕事を終わらせて再開のハードルを下げるやりかたが向いている。
だから今もこの“キリの悪いとこ”でいったん終わらせるやりかたを常に実践していて、その結果なんと驚くことに